Episode 02
- 長谷川
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こんにちは!株式会社 明治の長谷川です!
上司からの突然の指令で「明治おいしい牛乳のおいしさを最大限に引き出す
専用グラス」の開発を任されたのですが……。そもそも、牛乳専用のグラスなんてあるのか?
ネットで調べてみると、作ったことがあるという人がヒット!
しかもプロジェクトに対してかなり前のめり!
そんな「世界一牛乳好き」なデザイナーであるミルクマイスター®︎高砂さんに会いに、
事務所に突撃してきました!
ミルクマイスター®︎高砂さん登場
- 長谷川
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(ピンポーン)
はじめまして!株式会社 明治の長谷川です。
「明治おいしい牛乳のおいしさを最大限に引き出す専用グラス」の
開発の件で伺わせていただきました。
- 高砂
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ようこそおいでくださいました。ミルクマイスター®︎高砂です。
- 長谷川
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聞いていた通り、本当に牛乳パックのように真っ白な事務所なんですね。
- 高砂
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ええ、青空と相まって、明治おいしい牛乳のすっきりとした後味を思い出してしまいますね。
- 長谷川
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確かに(笑)そして、さすがデザイナーさんだけあって、ファッションもオシャレですね。服の所々に牛や牛乳のデザイン!
- 高砂
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これは私の正装なんです。
あらゆるアプローチで牛乳の魅力を伝えたくて。
- 長谷川
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徹底してますね。
- 高砂
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長谷川さんが今回、徹底的に「おいしい」と向き合うように、ね。
さぁ、どうぞ。
- 長谷川
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あらためまして、本日はお時間いただきありがとうございます。
それにしても、室内、牛乳一色ですね。まさに牛乳ミュージアム……。
牛乳パックの数がすごい!聞けば、500種類以上の牛乳を飲まれていると。
- 高砂
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そうですね。海外のものも合わせてそれくらいです。
このたくさんの牛乳を、知識と栄養のインプットとして、牛乳の魅力をデザイン、イベント、アニメなど、様々なアウトプットを精力的におこなっています。
- 長谷川
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イベントというのは、前にお話しいただいた茶道の牛乳版、「ミ道」ですね。
そこで使用した専用グラス「ミ器」がきっかけで今回お邪魔させてもらっ……。
- 高砂
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(かぶせ気味に)そうなんです!
もともと物心ついた時から牛乳が好きで好きで!!イベント以外にも、2010年には
牛乳雑貨店を開店し、2021年には牛乳の映画を制作しました。牛乳の姿をした主人
公と人間との絆を描いた物語で、牛乳との出会いによって心身ともに成長していく
少年のひと夏の……。
- 長谷川
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(櫻井さんに続き、この人も話が長そうだな……。)
あの!!それはぜひ!後ほどゆっくり見せていただくとしまして!!
今回は明治おいしい牛乳 専用グラスの話をご相談できないかと……。
- 高砂
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おお、そうでしたね。
これがミ道立ち上げの際に作った「ミ器」です。ポイントとしては3点。牛乳瓶
のような飲み口を再現。甘い香りを逃さない細口の胴体。空気を含ませる独特の
でっぱりです。牛乳の甘み、旨み、香りを最大限引き出すような形状にしました。
ちなみに逆さにすると牛乳瓶の形になるんですよ!
- 長谷川
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なんと!! そこまで考えられているとは…...!!
- 高砂
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牛と酪農家さんへのリスペクトですね。
- 長谷川
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素晴らしいです。その熱意も含め、今回のグラス開発に活かせそうですね!
- 高砂
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はい。ですが、今回は牛乳全般ではなく、「明治おいしい牛乳専用」ですからね。
一緒に明治おいしい牛乳の「おいしい」を解明していきましょう!
明治おいしい牛乳の「おいしさ」とは
- 高砂
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ところで長谷川さん。明治おいしい牛乳の「おいしさ」ってどんなとこ
ろなんですか?
- 長谷川
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はい。商品コピーにもあるように「新鮮な生乳のおいしさ、そのまま」
であることです!生乳の自然でさわやかな香りとほのかな甘みを感じら
れること。まろやかなコクはそのままに、すっきりとした後味があるこ
と…。
- 高砂
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そうですね。確か、この商品の開発スタートは1980年代後半でしたよね。
差別化が困難だった牛乳カテゴリーにおいて、「人々が喜ぶおいしい牛乳
をつくるためには、牛乳嫌いな人が牛乳を嫌う原因を解消すれば良いので
はないか」と発想したのは素晴らしかったですね。
- 長谷川
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よくご存知で……!そうです、牛乳嫌いな人に嫌われる原因が、乳臭さ
や後味のべたつきであることがわかったんです。
- 高砂
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それを解消する方法が見つからず、数年が経ったある時、
「おいしい」と聞いて取り寄せたある産地の牛乳が解決の糸口となって「酸
素による酸化が風味の劣化を招いているのではないか?」という研究視点が
生まれたと。これはドキュメンタリー番組化したいくらいの研究者魂だと思
いますよ……!
- 長谷川
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(高砂さんの熱意も十分すごい……!)
あ、ありがとうございます!嬉しいお言葉…開発部門に伝えますね!
そうして技術開発を進め、「新鮮な生乳のおいしさ」をお届けするため
に生まれた製法が「ナチュラルテイスト製法」です。
- 高砂
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生乳に含まれる酸素を少なくしてから、加熱殺菌をおこなうことで、加熱時の酸化を
防ぎ、生乳本来の風味が保たれることから、そう命名されたんですよね。
- 長谷川
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はい!その「ナチュラルテイスト製法」によって、
- 自然でさわやかな香り
- ほのかな甘み
- まろやかなコクはそのままにすっきりとした後味
を味わうことができるのが、おいしさのポイントなんです。
- 高砂
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私もそれが明治おいしい牛乳のおいしさのポイントだと思います。
そして開発から13年経った2002年に全国発売!
当時大学生だった私はひとくち飲んで「なんだこのおいしい牛乳は!?
本当においしい!」と一人暮らしのアパートで思わず声を出しましたよ。
- 長谷川
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(ガタン!と立ち上がって)
それです!その時、高砂さんが出した声です!
今回作る専用グラスで明治おいしい牛乳を飲む時に、
そんな声をみなさんの口から聞きたいんです!!
- 高砂
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そうですね!!優れたネーミングといい、デザインといい、飲むたびに
クリエイターとしての原点を思い出させてくれる明治おいしい牛乳……。20年間、どのクリエイターより明治おいしい牛乳を飲んできたと自負し
ていますので、携われることは大変光栄です。プレッシャーもあります
が、これを作れるのは、私しかいないと自信を持って言えます!
- 長谷川
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はい!新鮮な当時のそのままの気持ちを、ぜひ形に!!
- 高砂
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長谷川さん……うまいこと、いや、おいしいこと言いますね!!
見えた !? 目指すべきグラス像
- 長谷川
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私は毎日コップで1〜2杯分は飲みますが、高砂さんはどうですか?
- 高砂
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僕の場合、1日5杯は欠かせないですね。
毎日、飲むたびに幸せになってます。顔がほころびます。
今回の専用グラスで、みなさんにもぜひ幸せを感じて、笑顔になってほ
しいですね。
- 長谷川
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周りの人にも聞いていると、毎日1〜2杯は飲む人が多い印象でした。な
ので「 日々の一杯を、もっともっとおいしく楽しい、幸せな体験に」。
その機会をたくさん作れるグラスにしたいです。
- 高砂
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以前、制作した牛乳専用グラス「ミ器」は、牛乳ひとくちひとくちじっ
くりと味わう「茶器」のような用途をイメージしましたが、
明治おいしい牛乳専用グラスは、もっと日常に寄り添ったデイリーユー
スのイメージですね。
- 長谷川
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はい。じっくり飲むのではなく、さきほどお話しした明治おいしい牛乳の良
さを最大限引き出し、日々の何気ない牛乳一杯を、より幸せな体験にしたい
んです。普段は意識しないけど、こういう日常のものがおいしい!って、幸
せだな!って。ふと感じる瞬間が、高砂さんにもありませんか?
- 高砂
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あります!あの瞬間を、もっと多くの人に感じてほしいですよね!
今回のグラスのコンセプトも、その価値に沿ったものにしたいところだけど……。
- 長谷川
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あ!!高砂さん!!
「日々の一杯を、もっともっとおいしく楽しい、幸せな体験に。
ゴクゴクと飲んだ時の、あの爽快感と幸せを味わえるグラス」
ってコンセプトはどうですか!?
- 高砂
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長谷川さん!!いいですね!シンプルかつ大胆!
明治おいしい牛乳のおいしさで感じる、何気ない日常から笑顔と幸せがたくさん創り出される感じ。誰しもが心の中に持っている、牛乳がある
幸せの原風景。その記憶の扉をそっと開くような……
うん、一言で言えば分かりやすい!
さぁ、早速上司の方に確認を取ってみてください!!
- 長谷川
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あ、ありがとうございます!!
クリエイターの方に褒められて素直に嬉しいです!
早速上司に聞いてみますね。(プルルルルルル……)
- 長谷川
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「…..あ、櫻井さんお疲れ様です。長谷川です!はい、いま高砂さんとお話ししまして、はい。コンセプト。辿り着きました。よく聞いてくださいね。いいですか?日々の一杯を、もっともっとおいしく楽しい……
いいでしょう!?はい。ええ、そうなんですよ!はい、承知しました。伝えておきますね。では後ほど!失礼します。」
- 高砂
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どうでしたか!?
- 長谷川
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はい!プロトタイプ制作のOKはもらえました!それに…
「さすが、ミルクマイスター®︎と打ち合わせした甲斐があったな!
当たり前が当たり前じゃなくなっている昨今、何気ない日常の一杯が幸せに感じられることがしっかりと伝わってくる!」とのことでした。
専用グラスによって引き出されるおいしさを体現するようなデザインを目指したいですね!
- 高砂
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もちろんです!
明治おいしい牛乳のおいしさで幸せいっぱいになるデザインにしちゃいましょう!!
- 長谷川
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う〜〜ん…。とはいえ、さきほどの明治おいしい牛乳のおいしさのポイントを
引き出すと言っても、それをどうやってグラスで実現させるんですか?
- 高砂
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グラスの大きさや厚みなど形状によって飲み物の味わい方は変わります。
明治おいしい牛乳のおいしさに合ったグラスの形を探っていけば、
答えは自然と見つかるはずです。
- 長谷川
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たしかに!グラスの形状で香りや口当たりが変わるのは、
ワインやビールのグラスでもあると聞きます!
- 高砂
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さすが長谷川さん、よくわかっているじゃないですか!
- 長谷川
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高砂さんがわかりやすく話してくださっているおかげですよ!
- 高砂
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ありがとうございます(笑)
では、次回までに図面を書いておきますね!
- 長谷川
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はい!よろしくお願いいたします!
次回予告
「日々の牛乳一杯を、もっともっとおいしく楽しい、幸せな体験にする」という
コンセプトが決定!しかし、明治おいしい牛乳の魅力を最大限引き出すグラスの形とは?
上司・櫻井のGOを受け、長谷川とミルクマイスター ®︎高砂さんは、プロトタイプ制作に向け、伝統工芸の扉を叩く…….!